【ネーミング例】「ごはんですよ!」(海苔の佃煮の商品名)

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事例・桃屋「ごはんですよ!」から学ぶネーミングのコツ|セリフ調にして商品の登場シーンをイメージさせる

桃屋が2020年に創業100周年を迎えるそうです。

参考:「ごはんですよ!」の桃屋が100年続くワケ|東洋経済ONLINE

桃屋といえば海苔の佃煮。

ヤマダが子供の頃の定番は「江戸むらさき」でした。

くすんだ緑地に、白抜きの崩し文字で「江戸むらさき」と描かれたラベル。
ちょっと渋めの歴史と伝統を感じさせるデザイン。

それだけに、新商品「ごはんですよ!」のネーミングには度肝を抜かれました。
子供ながらに「なんて斬新な名前なんだ!」と衝撃を受けたのを覚えています。

かなりユニークなこの商品名。
ネーミングのポイントを押さえながら解説していきます。

(1)あえて商品の説明を入れず、インパクト重視

「ごはんですよ!」には商品の説明が入っていません。

普通に考えれば、原材料である「海苔」であったり、商品内容である「海苔の佃煮」を感じさせるような言葉を入れたくなるところです。
その方が買い手は商品をイメージしやすいですからね。

でも、「ごはんですよ!」は、あえて説明的な言葉をカットし、インパクト勝負に徹しています。

当時、桃屋と言えば海苔の佃煮、海苔の佃煮と言えば桃屋というくらいのブランドは形成されていました。
だから、あえて商品の内容を説明する必要もなかったのかもしれません。

(2)セリフ調にする

「ごはんですよ!」。

商品名っぽくない名前ですよね。
今でこそ、こういうネーミング手法もよく使われるようになりました。

でも、「ごはんですよ!」が登場したのは1972年(昭和47年)です。
当時としては、かなり大胆なネーミング手法でした。

一番の特徴はセリフ調であること。

セリフ調にすることで、人の温もりを感じさせることができます。
親近感を感じさせる商品名になるのです。

当時は桃屋のCMを真似して「ごはんですよ!」を連発する小学生をよく見かけました。
それだけインパクトのある商品名だったのです。

(3)商品の登場シーンをイメージさせる

「ごはんですよ!」という言葉には商品の登場シーンをイメージさせる役割もあります。

昭和の頃は大家族も多く、家族みんなで食卓を囲む習慣がありました。

夕食の支度が一通り終わった母親が「ごはんですよー!」と声をかける。
その声を聞いて家族みんなが食卓に集まってくる。
そんなシーンを容易にイメージすることができます。

たとえ商品名に商品の内容をイメージさせる言葉が入っていなくても、商品の登場シーンと結びつくことで、商品の内容を十分にイメージすることができる。
それだけ印象的な商品名となっているわけです。

同じようなネーミング手法を採用しているのが、伊藤園の「お~いお茶」です。

旦那さんが奥さんに向かって声をかける感じですね。
こちらはセリフ調ではありますが、商品内容である「茶」が商品名に含まれています。
そういう意味では、「ごはんですよ!」の方がより工夫された商品名と言えるでしょう。

他には、マクドナルドの「ヘーホンホヘホハイ」。
これもまた、商品の登場シーンをイメージさせる商品名です。

熱々のパイをハフハフと頬張りながら、「ベーコンポテトパイ」と言っているイメージ。
それをそのまま商品名としたわけです。

「ヘーホンホヘホハイ」に関しては、以前に分析記事を書いています。
こちらも読んでみてくださいね。

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まとめ

「ごはんですよ!」の登場シーンをイメージさせることで、以前その商品を食べたときの記憶が蘇ってきます。
そうすると、「あの時、美味しかったから、また買ってみよう!」という感情を引き起こすことができるのです。

商品を直接説明するのではなく、その商品がどんな風に使われるのかを想像し、それを言葉に表してみてください。
斬新な商品名が思い浮かぶかもしれませんよ!

ぜひトライしてみてくださいね。

この話題についてはTwitterにも投稿しています。
こちらも覗いてみてくださいね!

ネーミングに興味が出てきた人へ

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ネーミングのコツ。センスの良い商品名を作るための5つのポイント

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