ネーミングのテクニック「商品の説明×異分野の有名語」

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ネーミングのテクニック「商品の説明×異分野の有名語」

今回取り上げるネーミングテクニックは、「商品の説明×異分野の有名語」です。

「商品の説明×異分野の有名語」のネーミングは以下の4工程で行います。

① 商品の内容を示す言葉Aを決める
② 言葉Aに語感が似ている言葉Bを集める
③ 言葉Bの中から、言葉Aとは商品分野が違っていて、しかも、誰もが知っていそうな有名な言葉B’を選ぶ
④ 言葉Aと言葉B’を組み合わせて、造語Cを作る

抽象的な説明をしてもわかりにくいので、明治「TANPACT(タンパクト)」というネーミングの過程を妄想しながらネーミングテクニックを解説していきます!
あくまで妄想ですからね(笑)

なお、明治「TANPACT(タンパクト)」は手軽にタンパク質を補給することができる栄養食品です。

明治「TANPACT(タンパクト)」商品ページ

ネーミングのテクニック 工程①|商品の内容を示す言葉Aを決める

ネーミングテクニック「商品の説明×異分野の有名語」の第1の工程は、

「商品の内容を示す言葉Aを決める」

ことです。

商品には色々な要素が含まれています。
商品の内容を示す言葉も様々です。

その中から、商品の内容を示す1つの言葉を選ぶ、ということです。

言葉は自由に選んでもらって構いません。

一つアドバイスするならば、

「商品の内容を象徴的に表す言葉」

を選ぶとよいでしょう。

仮想事例(工程①)

M社は手軽にタンパク質を補給することができる栄養食品を開発した。

商品の内容を示す言葉としては、

  • タンパク質(入っている成分)
  • 牛乳(使っているタンパク質の原料)
  • いつでも、どこでも、おいしく、手軽に(商品の特徴)

等があった。

この中から、例えば「タンパク質」という言葉を選んだ。

ネーミングのテクニック 工程②|言葉Aに語感が似ている言葉Bを集める

ネーミングテクニック「商品の説明×異分野の有名語」の第2の工程は、

「言葉Aに語感が似ている言葉Bを集める」

ことです。

商品の内容を示す言葉Aを決めたら、その言葉と語感が似ている言葉Bをひたすら集めてください。
言葉Bの意味内容は無視して構いません。
言葉Aと語感(聞いた感じ、発音した感じ)が似ていればOKです。

あまり厳密に考える必要はありません。
フィーリングで言葉を拾ってみてください。

その時、

「言葉の母音を揃える」

と、語感が似てきます。

必ずしも全部の母音を揃える必要はありません。
できるだけ多くの音の母音を揃えれば、それだけ語感は似てきます。

仮想事例(工程②)

M社は商品の内容を示す言葉Aとして「タンパク(質)」という言葉を選んだ。

この「タンパク(質)」という言葉と語感が似ている言葉Bを探した。

「タンパク」の母音は、「ア段」+「ン」+「ア段」+「ウ段」。
これと母音が似ている言葉Bとして、以下の言葉をリストアップした。

  • 短角(タンカク)
  • 短冊(タンザク)
  • 淡白(タンパク)
  • 短絡(タンラク)
  • 関白(カンパク)
  • 卵白(ランパク)
  • 腕白(ワンパク)

更に、外国語にも範囲を広げ、以下の言葉を見つけ出した。

  • コンパクト
  • インパクト

ネーミングのテクニック 工程③|言葉Bの中から、言葉Aとは商品分野が違っていて、しかも、誰もが知っていそうな有名な言葉B’を選ぶ

ネーミングテクニック「商品の説明×異分野の有名語」の第3の工程は、

「言葉Bの中から、言葉Aとは商品分野が違っていて、しかも、誰もが知っていそうな有名な言葉B’を選ぶ」

ことです。

言葉Aと商品分野が同じ言葉でもダメなわけではありません。
でも、同じ分野の言葉を組み合わせるとありきたりな言葉になりがちです。
だから、商品の内容を示す言葉Aとは違う商品分野の言葉を選ぶと良いです。

あとは、

  • 専門用語
  • ニッチ・マニアックな言葉
  • あまり聞き馴染みのない言葉

を選ばないことです。
そういう言葉を使ってネーミングをしても親しみが持てない言葉ができてしまいますから。

商品のジャンルにもよりますが、言葉B’として、

「外国語(英語)の言葉を選ぶ」

と、今風の商品名になります。

仮想事例(工程③)

M社は、先程選んだ言葉Bの中から、

  • 商品分野が違う
  • 誰もが知っているくらい有名

という条件で、異分野の有名語である言葉B’として以下の言葉を選んだ。

  • 腕白(ワンパク)
  • コンパクト
  • インパクト

検討した結果、語感の良さそうな

  • インパクト

を最終候補とした。

ネーミングのテクニック 工程④|言葉Aと言葉B’を組み合わせて、造語Cを作る

ネーミングテクニック「商品の説明×異分野の有名語」の第4の工程は、

「言葉Aと言葉B’を組み合わせて、造語Cを作る」

ことです。

異分野の有名語である言葉B’は、商品の内容を示す言葉Aと語感が似ている言葉Bの中から選ばれた言葉なので、当然、言葉Aと語感が似ています。

だから、言葉Aと言葉B’の語感の似ている部分を重ね合わせて造語を作っていきます。

仮想事例(工程④)

M社は、

  • 言葉A「タンパク(質)」
  • 言葉B’「インパクト」

の語感の似ている部分を重ね合わせて、造語である言葉C「TANPACT(タンパクト)」を作った。

ネーミングのテクニック「商品の説明×異分野の有名語」のメリット

ネーミングのテクニック「商品の説明×異分野の有名語」のメリットは以下の3つです。

① 異分野の言葉を使っているので、その商品分野でありがちな商品名になり難い
② (異分野の)有名語を使っているので覚えやすい
③ 商品の説明そのものではないので、説明臭さが消え、洗練された商品名になる

ネーミングのテクニック「商品の説明×異分野の有名語」|まとめ

ネーミングテクニック「商品の説明×異分野の有名語」のまとめです。

「商品の説明×異分野の有名語」のネーミングは以下の4工程で行います。

① 商品の内容を示す言葉Aを決める
② 言葉Aに語感が似ている言葉Bを集める
③ 言葉Bの中から、言葉Aとは商品分野が違っていて、しかも、誰もが知っていそうな有名な言葉B’を選ぶ
④ 言葉Aと言葉B’を組み合わせて、造語Cを作る

特に、②の言葉を集めるところから、③の言葉を絞り込んでいくところがポイントです。

うまくネーミングするためには、②でできる限り沢山の言葉を集めることです。
沢山の言葉が集められれば、その中にキラキラワードがいくつか入ってきます。

ネーミングでは「如何にしてキラキラワードに辿り着けるか」が勝負ですよ!

ぜひ、挑戦してみてください!

ネーミングに興味が出てきた人へ

ネーミングに興味が出てきた方はぜひ以下の記事も読んでみてください。きっと、気付きがあるはずです。

ネーミングのコツ。センスの良い商品名を作るための5つのポイント

他のネーミングの記事はこちらから。

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